向こう側からのメッセージ

第22回

病院での出来事

2022年10月13日
編集:日戸 乃子(ひ とのこ)

前回、怪我をして入院生活になった経緯をお伝えしたのですが、あれから以降、私のパソコンは病院のWi-Fiに接続できなくなり、投稿できなくなりました。手も、十数針縫っていたために、しびれと痛みがあって、夜もよく眠れない日々が続いていたのです。

病院って、視える人にとっては「亡くなった方がたくさんいらっしゃる」場所らしいです。私が入院したのは県内では屈指の大病院で、送ってくれた友人は「病院の建物のエネルギーが半端なく重たかった…」と、後に言っていました。10階建ての7階に、手術後2週間ほど入院することになったのですが、整形外科病棟なのでさすがにここで亡くなる人は稀のようです。しかし、上階や下階には内科病棟や外科病棟もあり、病院内の売店では抗がん剤治療による脱毛をカバーするための帽子やウィッグも販売されていました。

さすがに、リアルに霊が視えない私でもエネルギーの重さは感じることができるので、家族に自宅からイコンデバイスと、イコンシールが入った封筒を持ってきてもらって、フル回転で使用しました。ダークとライトのイコンデバイス2台で、この大病院全部をカバーすることはできないので、一応、コマンドで私を対象に作動させて、手術跡の包帯の上にもイコンシールやアスリートシールを貼って、傷の回復を促進させることに努めたのです。

シールは目立つのか、「包帯に貼っているのは何ですか?」「手に貼っているのは何ですか?」と、看護師の方が勤務交代をするごとに聞かれました。私は、「市販されている波動シールです。これを貼ると、傷の治りが早いと思って貼っています」とにこやかに答えていました。すると、「そんなの売っているのですね。波動シールですか……」と意外に、怪訝な顔をされずに受け入れられることに。まあ、いろんな患者さんが入院してくるから、慣れているのかもしれません。

入院した部屋は、前回書いたように、個室ではなく、女性ばかりの四人部屋でした。

私の向かいのベッドの方は70歳代ですが、会社を二つ運営している経営者で、性格は押しが強く勝気な方。自分のベッドスペースから携帯電話を使って会社へ指示を出すのですが、その声音と会話は筒抜けで、しばらく聞いていると頭痛がしてくるレベルの、人間が出す荒い波動が押し寄せてきます。仕方がないので逃げ出して、共有スペースの談話室へ移動します。コロナが流行る前は、ここは家族や見舞客との交流の場だったのでしょうが、現在は入院患者に面会は禁止になっています。がらんとした場所で椅子に座って、ぼんやりと窓の外を眺めていました。

人間の身体は不思議なもので、自分の免疫によって、徐々に回復していき、できないこともできるようになっていきます。(まあ、悪くなる場合はこの逆のルートを経験することになりますけど)。四人部屋の私以外は、子供さんはいるものの皆さん一人暮らしで、生活の不安や家族へのグチがちょっとずつ顔を出してきて、その人の生活背景を知るようになっていくのです。

先に紹介した向かいのベッドの経営者の方ですが、毎朝、6時ごろにお経を唱えます。どちらかの宗教(仏教)を信じている信仰心の篤い人なのかと考えていましたが、私が退院する日になって、何かの拍子にたましいの存在の話題に触れた時にその方が、

「私ね、夢だったのかもしれないけれど、人が三途の川を渡るところを見せられたことがあるのよ。悪いことした人は、渡し銭の六文銭を渡しても渡し船には乗せてもらえないし、自分で泳いで三途の川を渡っても、向こう岸に上ろうとすると向こうにいる鬼(?)に川の中へと戻されるの。そしてね、死んだ時の状態によって人間は行く場所が決まっているから…」

と私に話します。

どういう状態で、彼女がその三途の川の場面を見たのかはわかりません。夢だったのか、幻視だったのか……本当はその話を聞いたときに、私はきちんと彼女に伝えるべきだったのかもしれません。

「あなたが信じているその死後の情報は、確かにある時点では存在をしたものかも知れませんが、今は時代が進み、全体のルールと仕組みが変わっています。もう、三途の川もないし、生まれ変わりの法則もありません。日本人は、これが最後の人間としての生であり、これから先もたましいの進化を望むなら、自分の意志として自分の名前を『命の書』に登録して、今の人生を精一杯生きてください」

きっと、そのように私が話しても、宗教に満足している彼女の心には届かなかったと思う。

でも、ここに書くことで、別の誰かにこの言葉が届けば、光へと進化することを選択したたましいが、どこかに生まれることになる。

命の書への登録……自分の分は、人生で一回だけだから。とりあえず、謎が残っていても理解が追いつかなくても、生きているうちに自分で自分を救ってあげてください。死んでから、誰かに登録してもらうのは、たいへん難しいです。

日戸 乃子(ひと のこ)