あの世とこの世のハシワタシ

第21回目

一期一会

2022年11月10日
語り:説諭士

 久しぶりに、華道を志した初心を、思い出させてくれる出会いがありました。
お琴のレッスンを受けている人たちの、ミニミニコンサートです。
その部屋は、穏やかな暖かい波動が充満し、癒しの空間の雰囲気が漂っていました。
そこに関わる人たちの波動が、いかに大切なことかが、うかがい知れます。
お琴の先生は、気持ち的に私と同じ(失礼ですが)天然さん、いつも会話が弾みます。

このミニミニコンサートは、月1回水曜日の朝10時から11時までの1時間。
生徒さんの発表会、手作り感満載の催しです。

部屋に入ると、ツワブキの黄色い花が一目をひきます。
横にあしらった萩の葉、そしてツワブキのふいりの葉と、虫が食った葉が、なんとも言えない趣があり、それにも増して器の代わりにペットボトル。
架台にダンボウルを使い、何と新聞紙を巻いている。
高い代金払って用意したのではなく、0円で見事な演出です。

プログラムは
1、BELIEVE
2、虹
3、世界に一つだけの花、花は咲く

優しい音色が、心地よく、とっても癒されました。

先生のご挨拶で、今日の出演者の一人、兵庫県姫路教室の生徒さんですが、大病を抱えているらしく、落ち込む気持ちを払拭する気持ちで、演奏に参加してくださったのだそうです。
「わたしたちも、いつ何が起きるかもわかりません。
一期一会を大切にしたいと思います。」
との言葉に、私もお礼の言葉を一言添えさせて頂きました。

「素晴らしい演奏ありがとうございました。私は、部屋に入って、ツワブキの花が私の心を和ませてくれたこと。そして、その瞬間思い出したことがあります。中学生の時から、身近に咲く草花をさりげなく生けるのが大好きで、生花道具のあることも知らず、蒲鉾の板に、たくさんの釘を打ち付け、さしていたことが、お花の先生の目に留まり教室に通い始め、以来花生けから離れられず、現在もたまにはいけることを楽しんでいます。
高いお金を払っていける花も立派ですが、庭の片隅や道端で、ひっそり咲いている花を生けるのが大好きでした。
そしてペットボトルだからこそ、透き通る水が眩しく輝いて見えました。
『水は花を潤し、花は人の心を潤す』お互いに生かし合う演出と、何気なく生けて下さった想いが最高のおもてなしを感じさせて頂き、今日の一期一会に心から感謝いたします。
 わたしの言葉に、先生も「ありがとう。高田さんの言葉が、今日の催しを最高に盛り上げてくれて嬉しいです。」と答えてくださいました。

ちょっとした心配りと、その場に感じる波動、感謝の思いの波動が部屋中に満たされている、そんな心地よいひと時でした。
これからも、一期一会を大切にして、たくさんの人との出会いを楽しみたいと思って居ます。
これからもよろしくお願いいたします。