光に繋がる愛情物語

第18回目

運命の人

2022年9月08日
語り:島道鉱泉4代目当主/能登はるみ

何田光使さんの残した軌跡は、今の時代に生きる人の魂を揺さぶるでしょう。生前の彼のひたむきで健気な姿勢は、今でもわたしの心の中にあります。彼が、この世からいなくなり肉体がなくなっても性格は、そのままのようです。ただ、わたしは、何田さんと共に成し遂げる事を夢描いていたため彼がいなくなり愕然とした日々が続きました。

以前から、幾度も登場してくる高田瞽女の文化を保存する会で繋がった人は、何田さんにどことなく似ていて憎めない可愛いタイプです。真面目で素朴でひたむきな態度は、好感が持てます。彼は、高田瞽女に魅せられ、島道鉱泉と高田瞽女の繋がりに興味があるようでした。

わたしは、いつものように初対面でしたが『この人、島道鉱泉向きだな‼︎』と閃きました。そこから怒涛のような急展開で、彼は、9月から島道鉱泉プロジェクトのメンバーに参加する事になりました。

そういえば、思い出した事がありました。わたしは、何田匡史さんが、何田光使さんになってから、彼に向かい祈り続けました。彼との約束を果たすために、人生のパートナーが欲しいと祈りました。

島道鉱泉の裏山に、大沢岳という山があります。何田光使さんを巻き込んだ雪崩は、その山の頂上から発生しました。わたしは、その山に向かい、思いを込めて怒鳴っていました。『何田匡史のバカ‼︎なんで死んだんだ‼︎わたしを1人で残して卑怯だろ〜』いくら泣いても叫んでも何田光使さんは帰って来ません。だんだん腹が立つのも薄まって来た頃に、運命の人との出逢いがありました。

悲しい気持ちになったり、苦しい思いをしたり、にんげんは自分勝手な思い込みで生きています。わたしは、新しい島道鉱泉プロジェクトの参加者との出逢いは運命的で奇跡的だと感じています。毎日、変化する日常を冷静に受け止め、客観的に検証して、いつもの調子で対応します。

今日ある命を、今日ある真実を、正確に記録していきたいと思います。

いよいよ『神を超えよ!仏を超えよ!』の出版が間近に迫ってきました。何田光使さんに、感謝しながら、関わってくださる皆様に感謝しながら、マイペースで頑張りたいと思います。

最後まで、お読みくださりありがとうございました。