Mackeyのジョブズ通信

ジョブズ通信59「不思議な共通点~麦畑とバッハ~」

(1月24日収録)

 

Mackey:Steve、今は大丈夫かなー?

Steve:やぁ! 完成したんだね、新しいコンピューターの構成。

Mackey:うん。一応サーバーみたいに使うっていうから、ビジネスほどの高い信頼性と耐久性は保証できないけど、読み書きが多いNAS向けのハードディスクを使ってみたりと、わりと耐久面には気を付けてみたつもり。

Steve:いいじゃないか。ちゃんと考えてあるんだね。

Mackey:…Steveって、確か初期のMacintoshを作ってたよね…。うーん、それに比べたらお遊びみたいなものかな…いや、Steveってどれくらい人に開発を任せてたんだっけ…?(Wikipediaなどで調べた)おや、開発マネージャーまでやってたんだ。ほー、若い時はドラッグもしていて、幻覚体験を……ん?

 

Mackey:…麦畑が……バッハを奏でた……?

 

ジョブズ通信59「不思議な共通点~麦畑とバッハ~」

 

Mackey:麦畑とバッハって、なんか前に見た組み合わせだなぁ。

Steve:ボクが体験した幻覚の話じゃないのかい?

Mackey:ううん? あれは確か……音楽を聞くのが大好きな会員さんが事務所にダッキーコンピューターを見に来た時のことでね? バッハが作った曲が好きだというから、そのあたりのクラシック音楽の演奏をYouTubeで聞いてたの。そうしたら、バッハさんがやってきたんだよねぇ。

Steve:あのJ.S.バッハ本人が来たのかい!?

Mackey:あれ、言っていなかったっけ? あの人の系譜の誰だったかが命の書に登録されているからか、まとめてどこかに引き上げられてるみたいなんだよね。今頃はたぶんどこかで現代のポップとかロックとかゲーム音楽を嬉しそうに聞きまくって、新譜でも作曲してるんじゃないかな? ともあれそのバッハさんがやってきた時、私は気づくと黄金色の麦畑と青い空のヴィジョンの中にいて、椅子に座ってバッハさんとお話してたんだー。

Steve:麦畑とバッハの組み合わせって、ボクと一緒じゃないか!

Mackey:そうそう。ひょっとしたら、バッハさんの心の原風景に麦畑があったりしてね、そのデータと繋がっていると、音楽が聞こえる。もしくは音楽を聞いていると、その風景に繋がる。みたいな、そんな波動的な情報の繋がりがあったかもしれないよね、って思ってる。なにより、そのバッハの曲を流していたのはダッキーコンピューターだった訳だし。

Steve:あり得るね。そうか、あの時ボクはバッハの世界に繋がっていたかもしれないのか……。

Mackey:だからってドラッグはないけどねぇ。今だったら精神学を学んだり、ギャラリーのダッキーコンピューターで音楽を聞いてみて、その作曲家の原風景にアクセスするって方がよっぽど健全だろうし。

Steve:ありゃ若気の至りってやつだよ。ボクはもうZENもSHINROGYも知ってるから、再現性のないヤクは要らないし。

Mackey:うーん、こうしてみると、古来のシャーマンとか呪術者の儀式って……いや、これ以上の考察はここではやめておこうかな……。下手なことをする人がいないとも限らないし。

Steve:そうだね。

Steve:過去のデータ、アートの精神性にアクセスできる……。なるほど、ほかのアーティストの作品をダッキーコンピューターで見たら、そのアーティストの精神性や見ていた風景、考えていたことが分かるようになるのか……。精神性の追体験ということを考えると、未来のアーティストの精神性がいかに重要か、っていう会長の言葉の重みが分かる気がするね。

Mackey:会長はアーティストより広い意味でクリエイターって言葉をよく使うけど、確かにそれはいつも感じることだね。なんていうのかなぁ、誰かの作品を鑑賞している時、私は特にその人の世界に入り込みやすくて。今ならだいたいの場所に行っても、本来の自分の状態に調子を整えて戻せはすると思うけど。特に怖い場所を通ってきたあとは、それを世に送り出すってことの重さとか意味を、時々考えるようになったかな。ほら、みんながみんな――ゲームみたいな例えを使うけど――精神の状態異常に耐性を持っているわけじゃないでしょ? 波動的に言えば、敏感な人なら気持ちが重くなったり、変な生き方や習慣のきっかけになったりするかもしれない。

Steve:君って、そういうのに敏感な性質なのかい?昔は結構感傷的になったりとか?

Mackey:どうかなぁ。感受性は高い方だったかもしれないけど、一方で変に冷静なところがあって、感動はするけどそこまで大して表に出さない、みたいな……そんな人間だった気がする。そもそも、気分が悪くなったりする以前に、寝ようと思って目を閉じたら即、ホラー映画のようなイメージに襲われる、つまるところ取り憑かれ放題の状態だったからねぇ。それに比べたらそこまで嫌な体験とかもなかったんじゃないかなぁ……。

Steve:…君、ひょっとしてお化けが見えてたの?

Mackey:お化けのイメージに常日頃うなされる、エレメンタリースクールからハイスクールの時代だったよ。

Steve:(首を振る)最悪の青春期だな、君。

Mackey:否定はしないね……。精神学を学んで一番よかったと思っているのは、精神病まがいの状態がなくなったことかな。頭の中で何人もの人が喋らなくなったし、寝る時に夢を見ないように自分に暗示をかけなくてよくなったし、怖いお化けのイメージが見えなくなったからね。

Steve:そんな状態でクリエイターが活動したら、まさに悪夢の再現だろうね。

Mackey:世の中で今人気になっている作品の裏には、そういう悪夢や悪魔が強く働きかけているものが多いと思う。……某コンピューターみたいにね?

Steve:ボクをそのネタでいじるのはやめて! 悪かったと思ってるんだ、本当に!