第40回

お金の問題 2

2023年3月16日

3月12日(日曜日)に、大阪で第66回シンロジカルセミナーが開催されました。当日の夕方までの最高気温は22.3度で初夏の陽気に近くて、厚着をしていった私は「失敗した!」と悔しがったのですが、夜中に季節外れの豪雨と雷鳴がとどろいて、翌13日は夕方までの最高気温が17.8度という、前日からは5度近くマイナスの肌寒い日になりました。一時とはいえ、豪雨と雷の連打は、これから先の予告のように恐ろしく感じたものです。

12日のセミナーでは、アメリカのシリコンバレー銀行が経営破綻した話がでました。(3月10日破綻、資産規模全米16位)、続いて13日にシグネチャー銀行(仮想通貨・暗号通貨が中心、資産規模全米29位)、ファースト・リパブリック銀行(資産規模全米14位)の株価が一時期80パーセントほど下落し、急落しています。

本日の光文書「リーマン級かそれ以上か」で、これらの現象のその後の対策なども公開されていますので、詳細は各自で調べていただくとして、本格的な世界経済のドミノ倒しが始まったということが見て取れます。現在は、アメリカであれば国が全力を挙げて、銀行の倒産が波及することを止めようとしていますが、もはやかの国にそんな力はないことは明白なので、今後も銀行の倒産の連鎖が起こり、それを知ることで信用不安に駆られた国民の取り付け騒ぎが起こり、最終的には内戦に発展するかもしれません。同じく、この国から北にある大陸も、一貫性のない覇権だけを求めた経済政策は破綻しており、最近はこちらに向かって『友好』という言葉が以前と同じように多用されるようになってきていることから、お金が底をついた末期症状だということがうかがえます。

これらの世界的な経済の惨状を、これから目にするようになると思うのですが、私はあまり心配していません。新しいものが現れるには、古いものはいったん潰れなければならないということです。私利私欲の政治家には、ここで退場をしてほしいと切に願っています。官僚制度も、古い経済体制に乗っている利権の山なのでそれもいりません。

もっとも、経済的な変動には不安が付きまといます。底の見えない恐怖と同じなのですが、案外思っているよりも怖いものではないと感じています。今の日本人は、大陸の文化を取り入れてアメリカ化してきていますが、それでも大陸の文化ほどにはお金に執着はないのです。なくなったら、なくなったで「まあいいや。仕方がないね…」といって、最後はあきらめてしまうあきらめの良さがまだあるのです。お金だけがすべてじゃないし、どうにか持てる力を併せたら、また新しく出発ができると考える柔軟性と他者へのやさしさが残っている気がします。というか、今はそれらが見えなくても、社会が経済の崩壊によって瓦解していく中から、それらの特性を持った人たちがさらなる国づくりのために、表へと浮上してくるのではないでしょうか。まあ、そうならないと、日本も地獄へまっしぐらということになるのでしょう。経済の崩壊により、本格的な目覚めに向かう人が増えることを信じています。

一方、世界的な経済の崩壊に触れることで、その真なる姿を現す者もいることでしょう。大半の人が、お金がなくなる、または持っているお金の価値が低下する恐怖から、自分ではない他者から奪うことを考えてそれらを実行するかもしれません。それだけ、お金に付着している人間の感情というものは厄介なものなのです。自分にとって「お金とは何であるのか?」ということを、定義していない状態で、安易にお金だけを欲しがると『強欲』の罠にはまります。

次回は、「お金に対する感情」について、書いていきます。

日戸 乃子(ひと のこ)