神を超えよ!仏を超えよ!

第120回

未来の可能性 その七
神は、間違える

◇お話し:積哲夫 ◇聞き手:何田匡史
二千十九年五月二十九日 配信

何田:他人を中傷したり、人の言葉尻や行動を他の人と批判するというか、そういうことをしている人は楽しいのでしょうか?人は本当に楽しいから他人の陰口をたたくのでしょうか?

:人を中傷するというのは、たぶん楽しいのでしょう。いまの時代の人間は妬むものだからです。得るものが何もないのにね。悪魔さん的には、楽しいのでしょう。人はそうやって操作ができるということです。人は悪魔に操作されているということに気がつかないのです。

何田:「最終知識」には、神から個人には自由が与えられているので、自分が何を選択し、チョイスするかは個人の自由が優先されますが、まさか自分が悪魔の手先となって働いているとは思いもよらないでしょう。なぜって基本的に人は自分が正しい、正しく生きている、そして悪者にはなりたくないと思って生きているからです。悪魔の操作によって、中傷や陰口をしていることに気づかないのは、自分は正しく、行うことは楽しいという正義の思い込みからきているのでしょうか?

:自分が正しいと思っているかどうかは人それぞれですが、ただ皆さん頭の中に、いいわけは共通してあるでしょう。

何田:いいわけですか?

:そう、ご当人のいいわけね。それで自分が納得するいいわけです。そうじゃないと、行動ができません。それが正しいかどうか? は別のお話です。ご当人にとってはそれが、今のところ、最大の選択なのです。

何田:積先生、ちょっとお話しが飛びますが。私は昔、ライアル・ワトソン著の「生命潮流」を読んでいたことがあります。つまり、生命はどこからきて、何を目的に発生したのか? 生まれて進化してきたのか? その目的は何なのか? という疑問です。その疑問に対して、積先生のお答えは、生命は、物質宇宙の意志(神意識体)が、自分は何もので、どこからきてどこへ行くのか? を調査し、分析し、考え、答えを出すために、生み出したものが生命であるということ。つまりそれが進化して、生命は神を考える人間の頭脳を獲得した、といわれています。 私がいいたいことは、そういう正しい生命のルート(しくみ)に乗って、人は自分の頭脳で正しいだろう、と考えて行った行動や言葉が悪魔の手先の結果を生んで、間違った現象を世に出してしまったなら、生命のシステムは「君、間違っているよ」と警告を発してくれないのでしょうか?

:何田さんのいう生命のシステムは警告を発していますよ。病気になったりするじゃないですか。何田さん、あなたのいいたいことはこうでしょう。要するに、生命が正しいものであるとするならば、遺伝子情報はすべて正しいということになってしまいます。それは、神は間違えないという人間の思い込みの結果です。遺伝子というものは、あれもためし、これもためしをずっとしてきたのです。それでほとんどのおためし(お試し)は失敗するのです。突然変異という言葉があって、突然変異は常に年がら年中発生しているのです。生物固体内でも生命体系でもです。 たとえば、人間の細胞でいえば突然変異すれば、がん細胞になります。これは失敗例です。生命はしょっちゅう失敗しているのです。たまに、成功例がでてきます。それが 、この宇宙のしくみなのです。

何田:ああ! そういう理由でしたか!

:だから、生命あるものは必ず正しいベクトル(方向)を持つか? というと、それは違います。正しい方向はこっちだなって方向づけるために、無数の過ちを犯すように、生命システムがつくられているのです。

何田:なるほどそれなら納得できます。個というものがこの道、その道、いろんな道をためすのではなく、全員が一斉にいろんな方向に散らばって、それぞれの道を選んで進んでいく・・・。

:そうそう、ためしてみて、成功するやつもいれば失敗するやつもいます。それで普通の人間のいいわけは、あの人はあれで成功したから、私も同じことをしてもいいはず…、といういいわけをするのです。自分もあの人のようになりたいと思って。でも、それは関係がないのです。あの人はあれで成功した。それだけなの。あなたにはあなたのやり方があるから関係がないのです。ただ参考にはなるのでしょう。

何田:なるほど、自分はあの人にはなれないし、真似してもなれない、ということでしょうか?

:そうです。ただそこに万人に共通の、学べば誰でも結果を出せる法則性を発見すれば、科学になります。でも普通の人は、そこに科学的分析を入れないでしょうね。何田さんあなた、日本で大金持ちの誰々さんのようになりたいですか? て聞かれたらのその人のようになりたいと思いますか?

何田:いいえ、なりたくないです。

:なぜ、なりたくないのですか?

何田:それはその人と同じ人生を歩めるかといえば、自分にはできないですし、いくら大金持ちになっても、責任も重いし、何よりも人生が面白くなさそうだからです。

:だから最初から、何田さんは大金持ちを目指してはいないわけです。何田さんにとっては、誰々さんはちっとも理想ではないのです。大金持ちを目指している人にとっては、誰々さんは理想になるでしょう。つまり大金持ちになりたい人はたくさんいて、それを、誰々さんを理想にして成功する人はごく少数なのです。

何田:お金があれば成功ですか・・・…?

:お金があれば成功ですね、というのが二十世紀以降のアメリカ文化です。お金があれば成功ですね、という時代は人類の文明史の中で、ごくごく少ないのです。しかも、ごく最近。せいぜい、現在から遡って二百年ほどです。

何田:ああ、マネー信仰という思想でしょうか?

:それは、すごく現代的なものです。近代ですらなくてほぼ現代のもの。マネー信仰は、アメリカ文明の特質です。でも、それがもう終わりに近づいています。