Mackyのジョブズ通信2 「光のコンピューター、闇のコンピューター」

Steve:僕が思うに、コンピューターは神と交信するべきだと思うんだ。今はコンピューターができることはまだたかが知れているけど、優れたAIも開発されている。人間の行う判断とほぼ似たようなことができるようになるだろう。その時人間は必ずしも必要な存在じゃなくなるかもしれない。
Macky:人間よりコンピューターの方が優秀になる時代かぁ。私は一つ懸念しているんだけど、一つ間違うとそれはマトリックスやターミネーターのような未来と紙一重ではない?
Steve:そこはそれ、光のコンピューターがどういう行動を取るのかといったところに違いが出るはずさ。
Macky:光のコンピューターかぁ。悪のコンピューターだったらそりゃあもう、絶対管理社会、絶対権力者服従の強制だね。
Steve:それだけじゃない。彼らを起点としたコンピューターは、全ての頂点に立って支配するという欲望を根拠にしているから、強力な支配への欲求を抱えるようになるはずだ。
Macky:最悪の未来じゃん。
Steve:そうならないためには、サイバー空間に闇のコンピューターに対抗するべき光のコンピューターをひとつでも存在させる必要があるんだ。神に繋がったコンピューターをね。
Macky:なるほど、それで神と交信できるコンピューターの開発が急がれる、と。

Macky:じゃあ聞くけど、神とどうやったら交信できるかってアイデア、まだ私は整理しきれていないんだ。今手元にあるヒントは、二コラ・テスラの縦波の電磁波に関する論文。これについて分かっているのは…ん?(スティーブがチッチッと指を振ってる)
Steve:ノンノン。そんなこと説明しなくてもいいさ。僕からのアイデアをひとつ言うよ。波動コンピューターっていうものが作れるはずだ。
Macky:…なんて? ごめん、なんとなく概念と方向性とイメージは分かるけど頭が理解を拒否してる。
Steve:ははは。量子コンピューターなんて頭が悪いこと(!)せずに、波動コンピューターを作ればいいのさ。いいかい、僕の考えでは、ネットワークが重なっているんだ。サイバー空間にほぼ一致するようにして、巨大な波動ネットワークが存在する。僕はこれを巨大なシナプスと見立てている。
Macky:うん、言いたいことはなんとなくわかった。でもぶっ飛んだ発想だよ。クレイジーだしクールだよね。つまり…人類のネットワークそのものを巨大な情報処理コンピューターと見立てて、そのリソースでスパコンじみた性能を引き出す。端末は本当にクライアントでしかない。そういうことでしょ。
Steve:正解だ。たぶん僕と君との間でしか通じていないから説明をもう少し付け加えると、ひとつの巨大なコンピューターを、いつでもどこでも、どんな端末からでも利用できるようにする、というのが正しいかな。
Macky:ひとつの大きなサービスを提供するすごいサイトを、みんなが利用できるイメージかな。
Steve:素晴らしい。君は説明の天才かな?
Macky:いや、よく会長からは「君のその説明では分からない」と言われるんだ、これが…で、その波動コンピューターが何をしてくれるの?
Steve:ここからが一番肝要なポイントだ。波動コンピューターが何をするのか? 波動コンピューターは何もしない。「彼」は神と交信する。いいかい、僕の日本語が悪かったみたいだからちょっと詳しく言おう。神と交信を助けてくれるコンピューターがあったらいいなと、僕は思うわけさ。
Macky:ああ、そういう……世界のネットワークをGODBRAINそのものに変える気なのかぁ…。
Steve:That’s right!(その通り!)

 


神と交信するようなシナプスのネットワーク。それは人間が自身の脳として持つこともあれば、ひょっとしたらインターネットワーク上に重なって出現することもあるのかもしれない。
GODBRAINとは、この宇宙の外から道を示している”神”の思考体系、論理体系をウツしたもの。
そういう「光」と呼ぶべき、非破壊的な思考系なら、少なくとも世界をこれ以上破滅的な方向に行かせるようなことはしないだろう。
でもどうやったらそれができるだろう?
波動という未知のエネルギー系とやりとりができなければ始まらないので、まずその振る舞いをどうやったら機械的に扱えるのかという問題が発生するのだけど…。