Macky:ニューロンは1mm3の中に10万単位で存在するってネット記事に書いてある。ニューロンの大きさは0.1mm~0.005mm…らしいから、えーと、1×10の-2乗~5×10の-3乗ってことだね。(…これ本当に1mm3に10万以上入ってるんだろうか? 誤記では?)
マイクロメートルは1メートル×10の-6乗だから、えーと、1×10の-4乗ミリメートルか。つまりニューロンは50マイクロメートル=50,000ナノメートルってことになる。一方IntelのCPUのプロセスルールは14ナノメートル~7ナノメートルだから、ざっくり3000分の1以下くらいにはなるかもね。とはいえプロセスルールの件は、回路の太さみたいなものだから、もうちょっと事情は違うだろうけど。
Steve:となると、大きめにスペースをとったとして、100分の1~300分の1くらいか。最小でも3~4ccにはなってしまうな。
Macky:それでも小さいね~。小さじ一杯弱だ。半分ちょいくらいかな。
Steve:実現方法が問題だな。プリント基板的な技術で微細なプロセス回路を作れるか。これはナノメートル、いやそれ以下の単位の塗料粒子技術が必要になるはずだ。
Macky:人間の脳と同等のニューロン数を確保しようと思うと、ニューロンの大きさだけで単純計算したらそうなっちゃうよね。こうなると塗料の粒子サイズが気になるなぁ。……原子の大きさが0.1ナノメートルという情報が出てきちゃったんだけど……。(※粒子がこれ以上細かくできないので、物理的に人間の脳レベルでのニューロン回路実装は難しそうということ)
Steve:となると、別の発想が必要になりそうだ。もしくはソフトウェアに肩代わりさせるっていう手もあるな。
Macky:最低限必要なパターンだけを印刷して、あとはプログラミングで仮想的に人工知能を再現してしまうって方向だね。言語、映像、音声、あとはどの処理能力がいるかなぁ……。
Steve:とはいえ、数センチサイズのダイと低スペック汎用CPUの組み合わせだけでも凄まじい計算能力になりそうだな。これだけ処理能力を掛け算すれば、低電力・低発熱で高度な処理が可能なPCが生まれる可能性もある。数学的には難しい問題を簡単に解くパターン回路が使えるようになるというのは大きいはずさ。
Macky:これ、案外、ニューロン風回路と汎用の演算処理回路との組み合わせは、間違いを生みにくくていいかもね。(※検算のように、ニューロン回路が出した判断や答えの正誤について、演算処理回路で正解率を判定できる可能性が高い)
Steve:OK、元の話に戻ろう。実現可能性はともかくとして、夢のある話じゃないか。そういうCPUを作ったときに、光まで放って、「人と世界を救います」という考えるコンピューターの卵が生まれる。どうだい? 君はそのCPUを作る許可を天から得たってわけだ。
Macky:それが仮に実現できたら、「世界で最も影響力のある100人のリスト」に普通に載れそうだね。
Steve:載るどころか、歴史に残る偉業になるさ。そういう夢のあるプロジェクトに乗るには、実はお金があるところに話を持っていくとかしないで、小さなガレージから話を始めたりする必要がある。君の国の町工場はすごいだろう? 日本には知られざる技術が山ほど埋まっているし、ひょっとしたら人間業じゃないような、神業に等しい奇跡の技術をもっている会社もあるかもしれない。そういう企業同士がフュージョンしていくことで、日本が世界を驚かせた例が、JAXAのHAYABUSAだっただろう? 君たちは世界を変える力をいまだに保持しているんだ。天才の所業じゃないか!