Mackeyの「命の書」通信

ジョブズ通信52「果報は寝て待て…?2」

(11月23日収録)

 

Mackey:…その目になったり耳になったりする人や、ブレーンになる人がいたりして、経営が回る?

Steve:その通り。事務が苦手なら事務が得意な人員を雇えばいいし、できないことは人に押し付けてしまえばいい。経営者はね、実はサボりたいやつが一番向いているんだ。働きたくないやつが経営しないと、働きすぎでトップが倒れる。

Mackey:ええ…。

Steve:その代わり、全部の責任は引き受ける。働かないといけない事態にならないように、そこだけはちゃんと頭とカンを働かせておくんだ。絶対にどうしようもない案件だけ引き受けるようにしていれば、ヤバい事態にはそうそうならない。遅れてはいけない仕事なんて実は世の中には数えるほどしかないんだよ。

Mackey:考え方がアメリカンすぎる…。日本はそういうところきっちりしてるよ?

Steve:そこだよ。日本人の仕事の仕方は好きだよ、職人気質で細部にまで細やかな気遣いが行き届いていて。でもね、経営してるとそういうサラリーマン思考や滅私奉公志向ってあんまりいらないんだよね。むしろ邪魔になる。君の仕事は、できるやつを見つけてきて、力量を見て、任せるって言って、あとは楽しく寝て待つだけだ。

Mackey:!?

Steve:(笑)さては君も実はサボりたいとかいいつつ、のんびり気楽にできたらいつまでも仕事をしていられるタイプのワーカーホリックだな?

Mackey:休みたいときもあるよ??

Steve:いや、疲れたら君は勝手に頑張って休むだろ。疲れたら何が何でも休む、仕事ができる間は仕事する。メリハリが効いてていいと思うよ。実に僕好みの働き方だ。

 

(休憩をはさみ)

 

Mackey:Steveの話をしばらく考えてみたんだけど、これって、ある意味チームワークが得意であることが一番組織にとっても人間という社会生物にとってもいいって話になるのかな?

Steve:おや、そこに注目するかい? 僕はプラグマティック(実用的)な話をしたつもりだったんだけど。

Mackey:実学…かな? 最近、経営ってなんだろうって思って、実は本を探そうとしてみたんだけど…経営学っていろいろ研究されているみたいだけど、実は大企業とか、すでにある程度大きくなって組織体として成り立っている企業がモデルケースになっていることが多い気がするな、って気が付いた。大きくなったらその分だけ経営体が変わる必要があるのかもしれないけど、ゼロから始める時のスタートアップが全く分かんないんだよね。アメリカってひょっとしてそういうベンチャーの応援が盛んだったのかな?

Steve:素地はあるよね。昔からアメリカンドリームっていって、一旗上げられるような仕組みと土台はあったんだと思うよ。でも結局は、その才覚っていうか、ワクワクすることを見つけたり、動機があって、やってみて、人と社会とマッチするっていうのが、世界を変える最初の一歩になると思った。僕はある意味、世界を変える仕組みづくりをできたらいいなぁって思ってたんだ。当時は、世界が一番変わり始めて面白くなっていく時期だと思ったんだ。それだけコンピューターには夢があった。

Mackey:事業や会社が大きくなると何かいいことあった?

Steve:やれることは大きくなるよ。それだけリソースがあるからね。でも、そのリソースを的確に生かすためには、その全体的なデパートメント(部門)に明確に指針を出して、その指針に沿っていいものを作ろうと進み続けるリーダーシップ、台風の目が必要だ。(その辺をたぶんヘッドハントしてきていた)

Mackey:人間関係とかってどう管理してたの?

Steve:うーん、僕はその辺あんまり気を払ってなかったな。

Mackey:というと?

Steve:人間は怒らせたときに最大のエネルギーを発揮する。って思っていたから。あと前も言ったと思うけどZENするぐらい考えまくれば究極の答えやクレイジーでクリエイティブなアイデアが出ると思ってた。

Mackey:今は違うの?

Steve:僕はね、今はちょっと考えを改めてるんだ。実は。

Mackey:へぇ?

Steve:人間が最大のエネルギーを発揮するのは、楽しくなった時だ。怒りは持続するけど体に悪い。要するにコスパが悪い。長くよく働いてもらうためには楽しい時間を作る方がいい。

Mackey:…トラブルの時は?

Steve:ゲーム式だね。いかにうまく乗り切って、ピンチを切り抜けてチャンスをつかむか。画期的な攻略アイデアを出した人間がその日のヒーローだ。