Steve:日本人が将来のヴィジョンをうまく描けなくなったのはなぜだろう? 現状に満足するように教育されてしまったから? 世の中が数十年も停滞したままだから? このままじゃとてもじゃないけど現状から良くなる未来なんて思い描けそうにないから?
僕はこれらの全てにNOを突き付ける。
日本人はさ、負け犬根性が染みつきすぎてしまったんだ。ずーっとやり込められてきたから。でもやられただけで終わっていいのかい? 僕はNO、断じてNOだ。反撃の狼煙を上げる時だ。やられただけで終わってるなんて国家としても情けないだろ? いいか、僕の考えじゃ、一人一人の現場でのポテンシャルの高さがあるから、こんなにポリティクスが拙くてもなんとかなってるんだ。なら、ポリティクスのかけられる制限なんてたかが知れているってことだ。歴史的に君たち、上の言うことを本当によく聞かないね!笑 従ってるフリしてこっそり一番大事なところはやってないだろ!
Macky:まぁね。向こうがゴールポストを移動させるのは、向こうの土俵に立っているからだしね。だったらこっちの土俵で勝負できるよう、土俵を別に作る方がいい。…ただ目の上のたん瘤がさすがに大きくなりすぎかな。一度、いっそのことぜんぶ壊して作り直したいぐらい。
Steve:時代の潮目だからね。いいんじゃない? 古くなったら建て替えるのが君たちの世の中の文化だろ。たぶん、式年遷宮ぐらいのスパンでやり方をざっくり変えていくのが、君たちの身には合ってるんだと思うよ。
Macky:またゼロから始めるのかぁ…。まぁ、試される列島で生きてきた我々の身には、数々のあらゆる災害と自然の脅威となんだかんだを乗り越えてきた折れない強さが染みついていますので…。
Steve:うん、純粋な疑問なんだけど、日本人ってこの土地に普通に住み続けてるあたり、そこは本当にクレイジーだと思う。なんでリスクマネジメントもクソもない土地なんだい、ここって。リスクしかないじゃないか。
Macky:Steve、それは違うよ。私たちにとって、たぶんこの土地はリスクじゃなくて…。災害だって結局は自然現象で、それに巻き込まれちゃうのはどうしたって仕方のないことなんだ。コントロールしようと思う方が土台無理な話な部分があるから、うまく受け流して大地に合わせて生きているんだよ。コントロールはコストがかかりすぎるんだもん。
Steve:なるほど道理だ。まさかそっちの方が合理的だという理由だなんてね…。
Macky:感覚的には、災害とかリスクっていうより、もはや我々にとってはただ定期的に起こるEventなんだよね…。火山噴火も地震も水害もさ…。
Steve:クレイジーだ…。
Macky:うん。でもうまく付き合うしかないから。昔の人はそういうわけで、比較的避けやすい場所と避けられない場所があるから、危ないからここに住むなとか、メッセージをいたるところに残しているみたい。例えば神社はかなり大昔から残ってるところが多いでしょ。お社の周りはそれなりに安全な場所だったんだよ。うちの近所もわりと水害伝説が残っているけど、神社は地図で見たらちゃんと一段高いところに建っているんだ。
Steve:アメリカじゃ考えられない仕組みだね。
Macky:あいにく、住めるところもそう広くないので、苦肉の策ってやつだよねぇ。