Mackeyの「命の書」通信

ジョブズ通信7「日本の技術は「心」の技術」

Macky:日本に対して、西洋のArtに関する感想はあるの?

Steve:下品だよね。

Macky:まさかの答えだね…。なんでまた?

Steve:だって、僕的には西洋の価値観っていうのは美しくないんだよ。西洋人っていうのはさ、いいかい、ガサツで、ドカドカ歩いて、うす鈍(のろ)くて、ダメダメだ。全く美しくない。

Macky:そんなにけなしていいの!?

Steve:いいんだよ、事実だから! 他の民族に言われれば怒るだろうけど、僕はアメリカンだ! 自分たちのことをここはダメだと言ったって何が悪い!

Macky:はあ。で、日本はそれに比べたら美しいと。

Steve:すべてが良い。キレている。

Macky:キレているんだ(笑)私は合理的な部分がなかなかドライで、日本のウェットな部分に比べると仕事を進める上ではいいのかなぁ、なんて思っていたよ。

Steve:(チッチッチッチッ)違う、ちがうよ、Macky。合理的にせざるを得ないというか、民族が違いすぎて冷徹に仕事をしないと仕事が進まないんだ、あの国は。奴隷を使うのに情けはいらない。そういうビジネスの考え方をする国だ、あそこは。

Macky:ああー…。

Steve:僕もそういうきらいはあったけども、そういう野蛮さや残忍さがある国で生まれたビジネスっていうのは、大きくなることはできるが、結局は奴隷使いの作ったビジネスだ。どうしたって下の人間は奴隷にしかならないんだ。日本人はそこが根本的に違う。奴隷のいない国で生まれたビジネスは奴隷のある国では理解されない。だから日本人のビジネスは海外ではうまくいくことが少ない。でも、本当は奴隷国家をやめたいと思うなら、日本人から学ばなきゃいけないことが僕らにはたくさんあった。

Macky:Steveから見て学ぶべきことって何かな。そして、あえてダメ出しするとしたらどこ?

Steve:ダメ出しの方から言うけど、もっと自信を持つことが必要だと僕は思うね。これだけ優れた文化と技術を持つ国だ。自分たちの技術を決して外国に安売りしてはいけない。そして、日本に学びに来る技術者たちは、日本の技術を学び取ることはできないと覚悟しなければならない。なぜなら僕に言わせれば、これは「心」の技術だからだ。

Macky:心?

Steve:さっきのArtの流れに戻るけど、日本のすべてはArtに回帰するんだ。日本人は皆瞑想的に新しい発想を作り出す。この国は精神文化として、ZENのように突き詰めて昇華していくということが得意な国だ。新しいもの、古いもの関係なく、本質を極めて美しいものを作り出す民族だ。それは「心」の、精神に由来する技術だ。その精神を写し取ることができなければ、技術をやり方だけ真似たって、日本人の究極の域に近づくことはできはしない。

Macky:そういう風に捉えるんだねぇ。