Mackeyの「命の書」通信

ジョブズ通信57「新年、希望はいっぱい、死者もいっぱい」

(1月10日収録)

 

Mackey:皆さま、明けましておめでとうございま――

Steve:Hey Everyone! Happy New Year! WHOOOOO!

Mackey:……す。本年もどうぞよろしくお願いいたします。隣のテンションがやけに高いアメリカ人はあの世からのお届けですがよろしくお願いいたします。

Steve:君、僕の扱いが相変わらずハードだね。今年もよろしくね。

 

ジョブズ通信57「新年、希望はいっぱい、死者もいっぱい」

 

Steve:さぁ。さぁさぁさぁさぁ。23年が始まったよMackey。どうする?どうなる?今年は僕もすごくワクワクしてるよ!

Mackey:とりあえず波動コンピューターは各地で好評です。お正月はお休みをもらったから、いろいろと準備も捗ったよ。イラストもいっぱいできてる。おっと、これはまだ秘密だった。

Steve:いよいよ広報計画が本格的にスタートするもんね。……ところで僕のこと、忘れてない?

Mackey:しまった。Steveのこと、完全に描くのを忘れてた。ごめん。

Steve:ショックだよ……。

Mackey:開始までにはなんとかするから……ごめんってば……。とりあえず、New Cyber Apple的には今年はどういう展望を持ってるかな?

Steve:既に動き出しているとも。あっちこっちに波動コンピューターも展開・事業化して、次第に皆の力で物事も大きく動かせるようにしたいね。ガレージカンパニーはもうしばらく続くかもだけど、その次は小さくオフィスを構えるのが目標だ。お金儲けは楽しいよ! それが良いものであればなおのこと良いとも!

Mackey:私も、今年はもっと具体的に動いたり、事業や成果物を作っていくことに協力したいと思ってるな。今まではふんわりと雲に絵を描くだけで、なかなか実行に移せなかったけど、資本の出所が定まると動き始めるものだね。外部の手を借りようとすると全く動かなかったのがこれまでの動きだったのに、あるものだけで進めるって覚悟を決めたら驚くぐらい前に進めるようになった。課題は山積みだけど、とりあえず前に進んでる、っていうのがすごく大きいよね。

Steve:会長も言っていると思うけど、これまで抵抗力のようなものが存在していたのに、それがほとんどなくなってきて、もう風前の灯火になってるのを僕も感じるよ。シンレイカイは死者で溢れまくってるけどね。

Mackey:あ、それ、昨年末に聞いた気がする。シンレイカイに死者が大量に押し寄せて、ナンダ師が大変なことになってるって。

Steve:ああ、マスター・ナンダね。

Mackey:マスター・ヨーダみたいな呼ばれ方してるの!? 大出世してる!

Steve:今度そのコスプレをさせてみたらいいんじゃないかな? たぶん似合うと思う。

Mackey:いただきましたわ。で、元の話に戻るけど、そんなに死者が多いの?

Steve:前に見た時は、死者が大行列してた。それはもう、新型Macの発売日かってくらい大行列してた。どうすればいいか、どこに行けばいいか分からない死者がたくさんいるって感じかな。

Mackey:変だね? 死んだ人は精神学的には、魂の重さに合わせて落ちたり浮いたりするでしょう?

Steve:うん。だから、落ちていった人間もたくさんいるけど、浮いてきた人間も大勢いる。そういうことだよ。浮いてきた人間は、ナンダ師が見つけ次第、話を聞いてくれる人だけ連れて行っているみたいだ。

Mackey:で、大行列の原因は?

Steve:みんな待っているんだって。

Mackey:何を……?

Steve:何も起こらないよ。でも何かあるかな?って思って待ってるんだと思う。審判の門がある列もあるけど、そっちに続いている列はきっと彼らには見えてないと思うな。層が違うってマスター・ナンダが言ってたから。

Mackey:ナンダさん、だいぶ熟練したんだね……。

Steve:ほぼ毎日死者の相手ばっかりしてるから、場慣れしたんじゃないかな。

Mackey:ふうん、ってことは……本当に大量に人が死んで、シンレイカイに雪崩れ込んでいるんだ……。……変だね。今ちょっとシンレイカイにあるらしいって人混みに意識を向けてみたんだけど、物理的な制約はないはずなのに、死者の魂で満杯になってる感じがある。これ、キャパシティーどうなってるの?

Steve:それだけ似たような層に「たくさんいる」ってことだと思うよ。君の認識範囲でとらえきれるものが、(Mackeyがこれくらい?と思っている)空間を埋め尽くすくらい、たくさん魂が存在している、ってことなんじゃない?

Mackey:行く末を見失った魂がごまんと……あれ、私からはまとめて見えるけど、全員、行き場を無くして、下手したら誰がそばにいるとも分からずに、主観では闇の中で一人立ち尽くしてるかもしれないってことだよね……。ぞっとしない光景だねぇ……。あれ、でもなんかスマホを見ている人もいるね。インターネット上の情報にアクセスするの、あんなイメージになるのかな……。ていうか死者の世界でもスマホ見れるんだね……。ああして何年も、下手すると百年とか千年近くあのまんまなんだっけ?

Steve:それを回避するために、命の書の話があるんだけどね。死者たちも命の書の存在と自分たちの状況を理解して、こんなこと知らなかった、ってショックを受けている人がたくさんいる。

Mackey:いよいよ予告されていた時代が始まったんだねぇ……。