Mackeyの「命の書」通信

ジョブズ通信54「りんごの死? 2」

(11月30日収録)

 

Mackey:それにしても、難しい…。結局次のやつを決めるのに、機能よりも見た目重視になっちゃうんだよね。

Steve:見た目って結構大事だろ?

Mackey:すごく大事。触り心地とか、目に見えにくいところで、使ってると品質がいいんだと感じることもあると思うよ。でもやっぱりそういうユーザー体験とか、デザインの満足度とか、そのあたりをいずれもかなり高いレベルでまとめていたのが今までのAppleだったなって思う。その水準とサービス品質のクオリティの積み重ねでとりあえず売れてるけど、今以上の体験を提供できなかったら、もうAppleの発展はないよね。…とはいえ、データ移行のやりやすさとか操作に慣れる手間を考えると、同じメーカーの後継機の方が都合はいい。囲い込み戦略で機種変更のハードルが上がっている気がする…(頭を抱える)。

Steve:この前、新しいiPhoneのデザインを改めて見た時にボロクソに言ってたけど、あれはなんで?

Mackey:変化を嫌うわけじゃないけど、今持ってるiPhone 11までの、フラットで、角もなくて流れるようなタブレットデザインがすごく良かったの。なのに、エンジニアリングがよっぽど難しかったのか、それとも売り出しているコンパクトなSEと差をつけないようにするためか、また5Sぐらいの時の、元の削り出しのカクカクアルミ枠にはめたみたいなデザインに戻しちゃったの。その変化は12からだったみたいだけど、新しい機種なんて買い換えてから数年はしばらく興味なかったから、全然そんな変更のことを気にも留めてなかった。…実は就職の時にiPhone 11にしたかったのって、父がiPhone 10を持ってて、その全面スクリーンとか、つるっとしたデザインがSteveみたいに言うとクールでスマートだったから、なんだよね…。会長も今のやつのデザインを見せたら、いいじゃんそれ、って言ってたもの。

Steve:つまり、美しくない、と。

Mackey:私にも美学があったんだ、と思ったわ。でも重いんだけどね、最近のスマホって。手首が疲れるからSEくらいの重さの方が、指も届いて片手操作が楽なんだけど、コンテンツを見るのは大きな画面の方が楽しいし。バッテリーセルがもうちょっと細密化してくれたら軽くなるのにな…。一番重いのってきっとバッテリーだし、ガラスとかの筐体もそうだし、その保護機構も備えてるし、でしょ?

Steve:なるほど、SEぐらいでないとユニセックスには使いにくいのか。軽量化はやっぱり正義だったな。

Mackey:いま、ふと、めちゃくちゃなスマホを思いついてしまったわ。

Steve:何?

Mackey:あのね、二コラ・テスラがね、地球は巨大な電池だと捉えていたことを思い出したんだ。宇宙規模の電気システムを完璧に安全に、有用に使える技術があったら、この世界でモバイルバッテリーもバッテリーもいらないでしょ。無線充電ができるんならさ、無線でエネルギーを取得したらいいんだから。つまり…バッテリーのないスマホを作ればいいんじゃない?

Steve:……。技術革新前提のスマホの構想か。いいね。

Mackey:なんだったら、地中に電波みたいなのを発信して、その周波数特性を生かして個別に無線通信もできるって構想があったらしいよ。(今はさすがに帯域の問題でドメインやアドレスのような考え方を導入しないと難しそう)実現できたら最高にクールじゃない? 6Gと7Gとか、電波塔がいる世界線、吹き飛ばせるよねー。って。めちゃくちゃ奇想天外な発想だけど、なんかできたら面白くない? 私の手首も楽になるよね!

Steve:Mackey。ひょっとしてそれさ、君の昔の世界の技術だったりするの?

Mackey:ううん、分かんない。でも、ふと閃いたんだよね。あとは研究者とエンジニアに投げるだけだなー。バッテリーがいらないんなら、ノートパソコンもさらに薄く軽くできるよね…。発熱や化学的な危険性をクリアできれば…。いいな…。…でも、常識外れだよね、フリーエネルギー前提の技術なんだから。

Steve:いや、こういうアイデアは、それができるかもしれないって発想の先にしか出てこない。いいぞ、面白くなってきた。ちょっとホワイトたちにも話してくるとするよ。