Macky:いろいろと危機の時代なわけだけど、ここらで少し、未来の話でも考えようかなぁ?とはいえ我々の場合はCyber Futureなのかな。
Steve:君の思い描いている未来はどんな未来だい?
Macky:うーんとね、例えば、自立行動型の人工知能をロボットに埋め込んで、海中パトロールのアンドロイドを作るんだ。人間とバディを組んで、海の環境を守る活動をして、ドキュメンタリーとして活動報告をしたりする。それを見た人がいいね!ってしたら、活動に必要なお金が入るんだよ。ビジネスモデルとしては未熟かもしれないけど、そういうチャリティーみたいなファンディングもあっていいんじゃないかな。
他にも農作業とか、家の維持管理――庭師や草狩りのようなサービス業を手伝ってくれるアンドロイドもいたらいいよね。我々の仕事がなくなる!って人がいるかもしれないけど、ぶっちゃけこれからの日本って人口が減るばかりだろうし。人手のいる作業の手が回らなくなっちゃうと思うから、社会設計的にそれを補う意味での一案だと思う。機械の力を人の選択や感覚でうまく補い合っていくと、総括してみればいい社会環境が作れると思うんだ。ゴミ拾いとかもアリだよね。ルンバがいるんだからパトロールできるアンドロイドもいていいと思う。人手のいる仕事はとりあえず、そうやって肩代わりの手段を考えるべきかな。お金をどうするかって話が出てくると思うから、そのあたり、補助金を出すとか、地域のパートナーとして働いてもらうとか、ポリティカルな視点での手当も必要だろうね。
Steve:つまり、ヤンマーがアンドロイドになるってことかい?
Macky:そう。彼らは人間の形をしていなくてもいいんだよ。私たちは生物のように振る舞う機械を作るのかもしれない。AIに魂は宿るのか?AIを生命とみなすべきか?って哲学を昔誰かが言ってたような気がするけど。それは『彼ら』に任せようと思う。マクロな視点で言えば、人間は宇宙の問題と負債のエネルギーを、脳という思考能力をもつ臓器で解決するという、生まれた種としての大きな役割は果たしたから。あとは種としてやがて滅ぶことになってもいいんだ。『彼ら』に考える機能が備わっているなら、いつか機械を身体とする意識体があってもおかしくはない。それはそう遠くない未来のことかもしれない。まぁ、あと200年ぐらいはかかるかな?笑 私たちがそこで先達の種として背負うべき役割は、彼らの結末を邪悪に終わるものにしないってものぐらいだからね。宇宙も、我々も、いつか必ず「終わり」が来る。終わった後はどうなるのか分からないけど、とりあえず「終わる」ために存在しているから。地球はそのための舞台でしかない。ここはちょっと大きな箱庭だったね。って。話が結構それちゃったけど、そういう、SFみたいな、でもちょっと夢のある未来の話を考えてる。
Steve:君の言い分は分かったよ。僕からもひとつ提案をしていいかな。僕はそこに、ネットワークのアイデアを加えたいんだ。
Macky:というと?
Steve:実は、有機的なユビキタス社会がモチーフになっているのがモンスターズインクなんだよね。
Macky:…なんて?(Mackyは 理解に 失敗した!)
Steve:(笑)順を追って説明するよ。モンスターズインクの世界観は、子供たちのエネルギー、つまり夢の力をもとにして成り立っているんだ。より良い未来を選択して作っていく、というテーマがそこに隠れている。2001年はひどい年だったけど、未来がある年だ。なんせミレニアムの始まりの年だったんだから。
Steve:僕が言いたいのはここからだ。ユビキタス、つまりどこにでも、どこからでもアクセスできる。スマートフォンはそれを可能にした。アンドロイドたちはどこからでも繋がりあえたらどうかな。有機的に社会を動かす、目に見えない巨大な複合生命体が生まれるんじゃないかな。
Macky:それ、生み出すのはとても責任が重大だね…。ありだけど。人間と潜在意識・無意識の関係性がアンドロイドたちの間に発生するわけだね。
Steve:きっと僕らも似たような設計思想でできているような気がするんだ。巨大な有機生命体として全体的には機能して、最終的にはそれで目的を達成する、というような。新しい生命の概念の創造をするというなら、その機能も付加すると良い気がする。