第37回目

挑戦

2023年2月23日
語り:説諭士

 主人の選挙戦からしばらく経ち、自分の気持ちもやっと落ち着いた気分にもどりました。
今にして思えば、主人の選挙戦はあっという間の日々でした。
後援会活動(選挙戦に入るまでの活動)として、支援をいただきに地域を回ります。
それは、候補者の妻として当然の務めです。
1年前に市議選、そして今回の県議選と、落ち着ける暇もなく、決意した限り精一杯頑張り尽くさなければ、と心中焦りの中で、容赦なく時が流れていきました。
当初は、市会議員でいれば安泰なのに、何故今更しんどい思いしにいくのか、何のために県へ行くのか、主人や私の友達、親族身内や市会議員の時の後援会役員の方々からも、この様なお言葉をいただきながら、また現職議員から後援会長を通じて、出馬をやめよとの信じられないこともある中、断固として譲らなかった主人の決意を信じながらも、心細い気持ちのまま、支援お願いの挨拶まわりが始まりました。

 そんな中、いよいよ告示日を迎え選挙戦の火蓋が切られました。 3日目選挙カーの屋根に乗せた候補者の看板が、街宣中ガレージの屋根に引っかかり、下に落ちるというアクシデントに見舞われ、とんでもない事態が起こったのでした。
半日凱旋できない状況の中、一瞬「これでマイナスの波動がはずれた!」と思った時、何人かが「悪いもん落としたから勝てるぞ!」と、みんなが拍手して、「良かった良かった」と不思議な光景ですよね。
支援者の皆さんのポジティブさが、マイナスをプラスに変えてしまいました。
その事がきっかけで、と言っても過言ではないほど、次の日から身にしみて周りの反応が良き方向にかわり「よう思い切ったなあ」「同年齢で勇気もらったよ」「僕も、あんたの旦那に負けない様に、百姓仕事まだまだ頑張るわ」「年齢を感じさせない若さがある。地域のために頑張ってほしい」と、嬉しい言葉を聞かせてくれるようになりました。

公認候補者ばかりの中に、無所属で戦う必死の姿が、有権者の方々に伝わったのでしょうか?
最終日、凱旋が終わって事務所に戻った主人たちを、事務所に詰めかけ出迎えて下さった方々が、拍手で迎えて下さる光景に涙する主人と、共に戦ってきた乗務員やウグイス嬢たち、精一杯戦い抜いたという感動を共有できた瞬間、「本当にありがとうございました」の言葉と「ご苦労さま」と達成感の喜びの波動が、周りに満ちていました。
あとは明日の審判を待つのみですが、「戦い抜いて悔いはない」と私に言ってくださった若い子の言葉が印象的でした。

 翌日の結果は、本当に立派な成績で当選させて頂きました。
過去の選挙戦にはなかった、有る事無い事の誹謗中傷を受けながらも、わたしたちを信じてくださった同級生たちに「気にすることないよ。そんな噂誰も信じてない。言う人の品格を落とすだけ。選挙にはつきものや」と励まされ、勇気づけられたことも忘れられません。
今までにも、多くの皆様のご支援に応えながら、選挙戦を経験させていただいてきましたが、また今回もこの様な喜びと感謝を新たに重ねさせていただくことは、主人はじめ家族身内にとって、ありきたりの言葉でしか表現できませんが、本当に言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。

今回主人の姿を見て、何事も自分の信念を持って挑戦する勇気が、人々の心に響くという実感を肌で感じさせていただき、主人がまた新たなステージに立たせていただいたこと、皆様から温かいお言葉をいただきご支援いただいたことに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、本当にたくさんの愛をありがとうございました。

たくさんの感謝と愛の心を感じさせていただき、更に、今回わたし個人にとって『挑戦』という行為に勇気という明かりを灯していただいたことも大きな収穫でした。
わたしは一貫した活動をしてきた主人の姿を見て、今だからできる事、自分にしかできないことを、自分の想い描いていることの集大成として、信念を通し、『挑戦』することを決意しました。
「主人に負けず、やり抜こう」と、闘志を燃やし、これから二人のやることは違っても、夫婦揃っての終活です。

残された人生で、感謝と愛の心を込めて、少しでも世の中のお役に立てることを願い行動致します。たくさんの感動と優しい言葉をありがとうございました。