第39回 神を超えよ!仏を超えよ!Ⅱ『デス・トーク』 2019年3月20日(水)

(通算第108回)
お話し:積哲夫  聞き手:何田匡史
(20181228収録)

何田:「積先生、今上陛下は1933年、昭和8年のお生まれで、終戦を12歳で迎えられました。
その時から憲法にある『日本国憲法第一条の、天皇を日本国と日本国民統合の『象徴』と規定する。』の『象徴』とは何ぞや?ということをずーっと考えてこられたのでしょうか?」

積先生:「そう思います。今上陛下にとって戦争に負けた、ということは決定的なのです。
今上陛下は戦争に負けた後の天皇なのです。
戦争に負けた時は昭和天皇です。昭和天皇がマッカーサーの所に行って、『すべての責任は私にあります。』と言われたわけです。
その『すべての責任は私にあります』と言われたことの背後に、戦争には反対し続けた立場とは別に、明治憲法があったから、という風に今上陛下は思われたはずです。憲法を守るのが天皇ということです。とすると、今上陛下は、現在の日本国憲法がうたっている『象徴』とは何か?、『象徴天皇』を忠実におこなおう、とされたのでしょう。
こう言っても意味が解らないと思いますが、要するに『天皇には“私(わたくし)”がない』のです。
この『“私(わたくし)”がない』ということは、『国民のためにどう働くのか?』ということです。『象徴としての天皇として働く』、ということしか、いまの憲法に規定されていないので、象徴という言葉を使われるお立場なのだ、と思います。」

何田:「今上陛下のメッセージのお言葉はよく考えておられて、言葉が練り上がっていると、私はつくづく思って聞いているのです。
よくお考えとお気持ちが文章や言葉に表れていて、言葉がすごいなあ、と感銘いたします。」

積先生:「歴代の天皇の中で、一生懸命ご自分で考えられておられるのは、たぶん今上陛下だけです。昭和天皇がお言葉やお話しされる時は、事前に下書きの人がおられました。」

何田:「ああ、なるほど、そうでしたか。
積先生、文章とか言葉には自分の教養とか、知性とか、自分の性格や考え方とか、そんなものが出ますでしょうか?」

積先生:「でます。言葉や文章には自分の『精神性』がもろにでます。だから、『言葉って怖いよ。』といつもいっています。」

何田:「自分の隠れていた精神性が言葉や文章に表れるなんて、本当に怖いですね。」

積先生:「何を伝えなければいけないのか?をずっと考えておられたのではないでしょうか、今上陛下は。
そういう意味では、東北大震災(東日本大震災、2011年(平成23年)3月11日に発生)の時に今上陛下がお言葉を出されたでしょう。あのお言葉は多くの国民を勇気づけましたね。国民統合の象徴としてのお働きをなされたわけです。日本に天皇がおられてよかったと誰もが思ったはずです。」

何田:「積先生、ありがとうございました。」

何田:「積先生、新たにご質問です。
日本の神々様は、昔は人間をされていたのでしょうか?
このへんが一般の日本人の頭の中でわからない点です。
神様や神々様はもともと人間だったのでしょうか?」

積先生:「いいえ、有名な神様や神々様達のなかで、もと人間だったのは少ないのではないでしょうか。天満宮様は人間でしたけれど。八幡宮様も応神天皇という人間だったということになっていますが・・・。」

何田:「出雲大社の大国主大神様は人間でしたか?だって人間でないと文献の記述通り、アマテラス政権への国譲り後に大国主大神様が住まわれていた建物の遺跡が出てきたわけですから、いかがでしょうか?」

積先生:「そりゃあ、大国主命様って人間でしょう。地上を統括されていたのですから。大国主大神様は『人間』でした。そうでないと『国譲り』が実際にあったことになりません。」

何田:「国譲りは大国主大神様とニニギノ命神様(アマテラス大神の孫)との間で行われた政権交代です。(古事記、日本書紀を参照)
ニニギノ命神様も、その奥様神の木花咲耶姫神様(コノハナサクヤヒメ神)も人間だった、ということでしょうか?」

積先生:「ニニギノ命様は天孫族(アマテラス大御神の天から)で、奥様の木花開耶姫様は地上の人だから人間です。」

何田:「ああ、なるほど、そうですか。どこから、神様や神々様はどこから人間でない神様で、どこから人間だった神様なのか?がわからないのです。これは私としてなぜか結構興味がある点なのです。なぜなのかわかりません?」

積先生:「記紀(古事記、日本書紀)をそれなりに読み込んだらね、アマテラス大神は天上界にずっとおられるのです。そのアマテラス大神の孫のニニギノ命様が天上から地上に降りてこられて、それが現在の天皇家の祖である、というお話しになっています。
それはそれで信じてあげたらいいのです。神話ですから。
私達日本人のルーツは天から降りてこられた神様で、だから日本国の皆さんは神様の子供なのです。そういう神話を持った民族が、この地球上にどれだけいますか。
だから菅原道真公がお祀りされて天満宮の神様になられました、というのも別に不思議ではありません。
そのストーリーの上で、私がやっているように戦争で亡くなった人達を神様にしてあげるというのは不可能ではないとわかっていただけるでしょ。
ですから、『人間は神様になれる』のです。
これが『日本の仕組み』なの、です。『人間は神様になれる』ということ、です。」

何田:「徳川家康公もでしょうか?」

積先生:「徳川家康さんは、天海(てんかい)さんが日光東照宮に東照大権現(とうしょうだいごんげん)の神様としてお祀りしました。それだけが原因ではないでしょうが、日光東照宮に行ったときに、徳川家康さんはおられましたね。」

何田:「ああ、そうでしたか!日光東照宮に徳川家康公はおられますか、それはすごいです。
積先生、お話しをありがとうございました。」

次回をお楽しみに!